展示会にご来場の皆さま、ありがとうございました。
会員の皆様、お手伝いの皆さま、お疲れ様でしたね。今年も学びが多く、とっても楽しかったです。展示会3回目のわたくし、新米ボウの感想を簡単に書き出してみましょう。
会場に入ると原種のベゴニア・レックスがで~ん!と置いてあります。皆さんもご覧になったと思いますが。
えっ、これがあの案内状のベゴニア⁉
葉書きの写真は可憐なピンクの花が真ん中に写っていたから、こんなに大型とは驚き。実物を見られてよかった!用意してくださり、ありがとうございます。
インドのアッサム地方原産のベゴニア、ここから多くのレックス品種が作られてきたんですね。感慨深い…
Putzeysって?
葉書きをよく見ると右下に、Begonia rex 'Putzeys'とある。
'Putzeys'は、Jules Antoine Adolphe Henri Putzeys (1809 –1882) という19世紀のベルギーの植物学者・昆虫学者(特に甲虫で有名)の名であり、省略されてPutz.という表記もよく見られる。
発音はインターネットの発音サイトで調べると「プーツィース」。アントワープ州の地名から来ているらしい。
プーツィースさんはなかなか凄い人だった。ベルギーのリエージュに生まれる。18歳で哲学の博士号取得、その後法学を収め、リエージュの法律関連の仕事に就く。40歳くらいで王様からレオポルド勲章を授与されている。しかし地位や名声などには無関心で、全情熱と興味は自然界の生き物に傾注していたようだ。ベルギーの昆虫学・植物学の発展に大きな足跡を残し、研究熱心なあまり視力を失うも最期まで研究を続けたという。Begonia rexとBegonia rosacea、名前が残るにふさわしい方だった。
楽しい会話
来園者の会話や反応が楽しい!
皆さん、解説のパネルをよく読んでくれるのに驚いた。入って右側の壁に貼ってあるこちらの3枚。
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写真が悪くて申し訳ないが、この3枚でベゴニアについておおまかなことはわかる。
また今回の展示では、完全にというわけではないにしろ、東南アジア産、南米&アフリカ産といったように地域別に分けられており、上の世界地図と照らし合わせると理解も一層深まる。
「ベゴニアってBegon ベゴンという人の名前から来ているんだって」「ベゴンって強そうだよね」「BegonってBeginの動詞活用みたいな?」「過去形?あ、過去分詞か」「違うよ」
おもしろいなあと思ってクスクス笑ってしまった。パネルには、ベゴニアは
「17世紀のサント・ドミンゴの総統で、植物のパトロンでもあったミシェル・ベゴンに因んで名付けられ」
たとの説明がある。日常的に、こんなにも多くの人々の口にのぼるベゴンさんの名前であるが、当然子孫とかいるよね、などと興味が湧いてきて調べてみた。
Begon姓は圧倒的にフランスに多く、下の資料によると2024年は38322人となっている。他にベルギーやカナダなどにも。
名前の由来は幾つか説があって、ゲルマン語由来で「走る」「移動する」という動詞から、あるいは 地名Bègueから、またはラテン語のbeccus(鳥の嘴や先っぽ)から等。
偉い方だけあってウィキペディアには肖像画もある。Michel Bégon (naturalist)
ベゴン家は代々、地方や植民地の政務に携わったようだ。混同してはいけないのは、息子も父と同じMichelという名前で別にウィキペディアのページもある。現代に移ると、Dominique Begonという建築家もいる。
話題のベゴニア 三点
誰しもが足を止め、目を見張り、思わず声を漏らすベゴニアはこれ!
メラノブラータ。
衝撃のインパクト。棘だらけの葉。その棘のひとつひとつからご丁寧に毛が生えている。まだ若い(幼い?)葉はチョコミントのアイスクリームみたいで可愛いんですが。
多くの方がいろいろな角度から写真を撮って楽しんでいました。
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Begonia melanobullata C.I Peng & C.W.Lin
皆が「レタス」と呼んでいたクレスタブルキイ
Begonia crestabruchii
アキ
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アキさん、どうしてこんな姿に??何があったの、教えて。
Begonia Aki
私の好きなベゴニア
これも少し載せてみましょう。
クロロスティクタ
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Begonia chlorosticta
協会会報誌今年の1~3月号の表紙にもなっているクロロスティクタ。
Sさんのは色がとっても素敵。私の好みです。花もたくさん咲かせて申し分ない作品です。何年か前に初めて見たパルダリウムのベゴニア、あの時の新鮮な感動を思い出しました。『水玉のドレス』という作品でこちらは赤い葉→DOOA STYLE #4 水玉のドレス
Cさんの作品はどれも惚れ惚れする。
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左:Begonia rajah
Cさん自身が「最も気に入っている」とおっしゃっているだけあって、いつまでも眺めていたいライア。
右:Begonia thelmae
テルマエ。葉や茎に細かい毛がびっしり生えていて、どうやらトライコーム(trichome、毛状突起)というらしいですが、光の加減で美しく色を変えるのがおもしろい。見事な作品です。
まだまだ続きます。
今日はこの辺で。